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会社設立のときの「株式会社」か「合同会社」の決め方のポイント

 
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先生、設立時の初期費用が安く抑えられる合同会社というものがあると聞いたのですがいかがでしょうか?

教えて君

良く知っているね。確かに設立時の初期費用は10万円以上安く抑えられるということで、株式会社ではなく、合同会社を選ぶ方もいる。

ベテラン先生

創業時の10万円は大きいですね。それなら合同会社で決まりですね。

教えて君

おいおい、ちょっとまって。合同会社には設立コストが安いというメリットに加えて、もちろんデメリットだってある。どちらを選んだほうが良いかは、一概には言えないんだ。

ベテラン先生

法人の形態として、株式会社に合同会社、合名会社、合資会社と4種類ありますが、合名会社と合資会社は有限責任となることからメリットは薄く、事実上、株式会社と合同会社のどちらかを選ぶケースが多いのではないかと思います。

今回は、この株式会社と合同会社を比較しながら、どちらを選んだほうが良いのか考えてみます。

会社法が施行されてからは会社設立が身近になった

平成18年に会社法が施行されてからというものの、以下のように会社設立のハードルが下がり、会社の設立は本当に身近なものとなりました。

  • 資本金は1円でもOK
  • 役員は1人でもOK
  • 類似照合の調査が不要に
  • 資本金の証明が簡素化

そして、その会社法の施行とともに、新しく生まれたのが、合同会社という形態です。

合同会社と株式会社の違いは?

合同会社とは、アメリカのLLCをモデルにした形態と言われており、株式会社と比較すると以下のような特徴があります。

【株式会社と同様の点】

  • 資本金は1円もOK
  • 役員は一人でも設立可能
  • 出資の範囲内での有限責任
  • 税金計算の方法はどちらも同じ

【株式会社と異なる点】

  • 合同会社は役員任期なし
  • 合同会社は決算公告不要
  • 合同会社は設立の初期費用が安い
  • 合同会社は上場できない
  • 合同会社は配当を出資比率に応じなくても良い
  • 合同会社は出資者と経営者が同じ
  • 合同会社は内部機関の設計が自由

合同会社は株式会社と比べてさらに自由度が高く、さらに、コスト面での手軽さも高いと言える。

ベテラン先生

合同会社のメリット

それでは、合同会社を選ぶメリットを見ていきたいと思います。

設立費用が安い

株式会社と合同会社の設立費用は、以下のとおりとなります。

なお、登録免許税は、最低限必要となる金額を記載しています。

設立コスト 株式会社 合同会社
定款認証印紙代 40,000円 40,000円
定款認証手数料 52,000円 0円
登録免許税 150,000円 60,000円
専門家報酬 別途見積 別途見積
概算合計 約242,000円 約100,000円

専門家に依頼することで、定款を電子定款とすることで、定款認証印紙代を0円に抑えることができます。また、上記以外にも、法人の印鑑を作ったり、会社が出来てから会社謄本や印鑑証明書を取得なんかの費用も発生します。

結論としては、合同会社の方が設立コストを約14万円節約することができるということですね。

役員の任期がないため登記代を削減できる

株式会社の場合は、取締役の任期は最大10年以内となり、任期が到来する都度、任期更新の登記を行わなくてはならず、その都度コストがかかることになります。

一方で、合同会社は、役員の任期がありませんので、株式会社のように任期更新のための登記を行ったりする必要はありません

決算公告が不要なためコストと手間を削減できる

ご存じでない方も多いかもしれませんが、株式会社では、決算の都度、官報や新聞、インターネットなどで、貸借対照表や損益計算書を定款で定めた方法により、決算公告として実施する義務があります。

一方で、合同会社では、決算公告の義務はありませんので、決算公告のためのコストや手間を削減することができます。

合同会社のデメリット

次に、合同会社を選ぶデメリットを見ていきたいと思います。

認知度が低く信用力に劣る

皆さんも「合同会社ってなに?」と感じられたように、世間的な認知度は、株式会社と比較すると低いことから、信用力に劣ると言えます。

このため、会社名が前面に出てきて、対法人向けのビジネスを展開する場合、合同会社であることが足かせになる可能性があります。

上場できない

株式会社では株式を公開することができますが、合同会社では株式の公開はできません

このため、会社を大きくして、将来的に上場を目指したいと考えておられる場合は、合同会社は向かないと言えます。

結局、株式会社か合同会社化はどうやって選べばいい?

上記のようなメリット・デメリットを踏まえて考えた場合、会社名が表に出てこないようなスモールビジネスを展開する場合や、個人的なプライベートカンパニーとして設立する場合は、合同会社のデメリットを抑えることができるのではないかと考えます。

ただ、設立コストを抑えるためだけに、合同会社を選ぶというのであれば、ゆっくり考えたいところです。

もちろん、合同会社を作ってから、その後、株式会社に組織変更することもコストを払えばできなくはありませんが、長い目で見て、本当に14万円の初期費用の節約だけのためだけに、合同会社を選んでよいものか考えたいところです。

また、意外な盲点として、合同会社では「取締役」ではなく、「社員」という形になり、名刺にも「代表取締役」ではなく、「代表社員」と記載することになります。

この点を気にされる方もいらっしゃいますので、ご注意ください。

初期費用の節約ということだけにとらわれず、長い目で見て、信用力という観点から事業の足かせとなることはないかしっかりと検討することが大切。

ベテラン先生

 

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