会社設立のときの会社名の決め方のポイント

先生、会社名がいつまでたっても決められません。
教えて君
それは仕方ない。会社名は誰しもが迷うことだし、みんなが通る道だということだね。
ベテラン先生
なんか良い決め方はないものでしょうか。
教えて君
よし。それでは、今日は会社名の決め方のコツについて話してみよう。
ベテラン先生
上記の会話のように、会社設立の際に、会社名をスパッと決めることができるというのは、そうそう多くありません。
誰しもが悩みに悩んで決めていくもので、私自身も何日も悩んで決めた記憶があります。
今日は、会社設立の際の会社名の決め方のポイントを考えてみました。
目次
会社名の基礎知識
まずは、会社名に関する基本的なことを確認したいと思います。
会社名に使える文字は決まっている
法律上では、会社名のことは「商号」と呼ばれ、実は、商号に用いることができる文字の種類は定められています。
- 漢字
- ひらがな
- カタカナ
- ローマ字
- アラビア数字
- 一部の記号等
ちなみに、平成14年までは商号にローマ字を用いることができなかったのですが、法改正によりローマ字や一部の符号を用いることが可能となりました。(法務省「商号にローマ字等を用いることについて」)
前後に「株式会社」や「合同会社」をいれる
商号の前後に株式会社や合同会社といった会社種類を入れることになります。
株式会社でいうと、商号の前に株式会社が来ると「マエカブ」、商号の後に株式会社がくると「アトカブ」と呼ばれています。
- 株式会社○○○:マエカブ
- ○○○株式会社:アトカブ
同じ住所に同じ社名は使用不可
平成18年の会社法の施行により、類似商号の調査が不要となりましたが、同一住所に同一商号の会社を設立することはできません。
全国には同じ商号の会社が存在することはあっても、同じ住所に同じ商号の会社はあってはならないということです。
類似商号は避ける
同じ住所でなければ、他の会社と同じ商号を用いても良いかというと、それは必ずしも大丈夫と言い切れません。
有名企業などのように広く知られているものと同じものやまぎらわしい商号を用いた場合などには、不正競争防止法に違反するとして、損害賠償請求の対象となることもありますので、疑わしい場合は必ず専門家に相談することをお勧めします。
後から変更もできる
会社名は会社を設立してからでも、いつでも変更することができます。
とはいえ、変更登記を行ったり、封筒や印鑑、HP、名刺などを新しくしたりと、相当な手間がかかりますので、出来れば安易に変更はしないほうが良いでしょう。
会社名を検討する際の考え方
それでは、次に、会社名を検討する際の考え方をご紹介いたします。
会社名は会社の顔でありブランドそのもの
会社名は会社の顔ともいっても言い過ぎではなく、どのような会社でも会社名には並々ならぬ思いを持っているはずです。
また、名刺交換の際には、必ずと言っていいほど、会社名の由来を聞かれることがありますので、出来れば、会社や商品、サービスに込める思いを会社名に表したいものです。
奇をてらってはマイナス効果になることもあるが、会社名を工夫することで、名刺交換などの際に、話のつかみとして用いることもできる。
ベテラン先生
造語にして考えてみる
例えば、「信頼」、「家族」、「仲間」など、こういった人気のワードをフランス語やスペイン語などの外国語にして会社名にしようとすると、大抵は世の中にある会社と被ってしまうことでしょう。
世の中にはない会社名にしたいということで迷うのであれば、こんな形で造語を考えることもありだと考えます。
- 2つ以上の言葉を加えて造語を作る
- 2つ以上の言葉の頭文字で造語を作る
- 和風の言葉を外国語風に表現する
インターネットで検索してみると、有名企業の会社名の由来をまとめているサイトもあったりするので、名前の付け方の参考にしても良いのではないかと思います。
類似商号は法人番号公表サイトで確認できる
世の中の会社名を確認したいのであれば、地道にインターネットで検索するということもできますが、国税庁の法人番号公表サイトを用いることもできます。
どうしても悩んだら依頼してみる
それでも、浮かばないというのであれば、以下のようなサイトで会社名を依頼してみるということもできます。
ただ、ずっと付き合っていく会社ですから、どれだけ迷っても、どれだけ時間がかかっても自分自身で決めたいところですね。
結局、会社名はどうやって決めたらいい?
私の場合、会社設立の際には、会社名の決定に一番時間がかかりました。
これさえ決めてしまえば、印鑑を発注して、あとはスルスルと進んでいきます。
上記の国税庁のサイトを利用して、思いついた会社名を入力してみて、世の中に同一商号の会社がないかということを何回も何回も確認しました。
はじめのうちは、「信頼」、「共有」といった人気ワードの外国語で考えてみましたが、ことごとく同一商号の会社があるので、最終的には造語で名付けました。
会社名は会社の顔であり、ブランドそのものですので、本当は事業計画なんかともリンクして考えても良いのでしょうね。