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企業主導型保育事業を立ち上げる際に注意しておきたい消費税のはなし

 
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ここ最近、企業主導型の保育所の拡充の話をよく新聞で見ますよね。

教えて君

政府としても待機児童の解消のために力を入れているということだね。

ベテラン先生

僕自身も子育てをしている身としては、保育所が拡充されることは本当にありがたい話だと感じます。

教えて君

せっかくだし、今日は、この企業主導型の保育所を立ち上げる際の消費税の注意点について解説してみよう。

ベテラン先生

 

先日の日経新聞の記事でも大きく取り上げられていましたが、この記事では、企業主導型の保育所を増やしていき、2020年度末までに32万人分の追加の受け皿の確保を目指していくとのことです。

女性職員が働きやすいようにということで、大手では日本生命や住友生命なんかがこの事業に取り組んでいるようですし、従業員数が10人未満の事業所でも積極的に取り組まれているところもあるようです。

私自身も子育てをしながらの共働きの身としては、こういった動きは非常に喜ばしいことだと感じています。

一方で、この事業をはじめられる経営者様にとっては、実は注意しておかないといけないこともいくつかあり、そのうちの一つが、今日ご紹介する消費税のおはなしです。

 

企業主導型保育事業ってなに?

まず、消費税のおはなしをする前に、企業主導型保育事業ってなに?というところから簡単にご説明します。

企業主導型保育事業とは、企業が従業員の福利厚生などの一環で従業員の子供を預かるために保育所を設置する事業のことを言います。

制度上は、認可外の保育施設となるようですが、保育士の数などの一定の要件を満たすことで、認可施設並みの補助を受けることができます。

詳しくは、内閣府のHP等でご確認いただければと思います。

 

消費税の取扱いはどうなるか?

それでは、次に、本題となる企業主導型保育事業の消費税のおはなしです。

 

消費税は課税?非課税?

ポイントは、この事業により設置された保育施設は、認可外の保育施設となるということです。

そして、この認可外の保育施設の利用料に関しては、国税庁の質疑応答事例にその取扱いが公表されています。

都道府県知事の認可を受けていない保育施設(以下「認可外保育施設」といいます。)のうち、一定の基準(認可外保育施設指導監督基準)を満たすもので都道府県知事等からその基準を満たす旨の証明書の交付を受けた施設及び幼稚園併設型認可外保育施設の利用料については、児童福祉法の規定に基づく認可を受けて設置された保育所(以下「保育所」といいます。)の保育料と同様に非課税とされます。(国税庁HP「認可外保育施設の利用料」より抜粋

つまり、認可外の保育施設の利用料に関しては、都道府県知事から証明書の交付をうけることで、認可施設と同様に消費税が非課税になるということです。

 

都道府県知事からの証明書の交付を受けるための手続き

それでは、都道府県知事から証明書の交付を受けるためには、どのような手続きが必要になるのか確認したいと思います。

参考に、兵庫県のHPで確認してみたいと思います。

認可外保育施設の一定の質の確保や児童の安全確保等を図るため、届出が義務づけられている認可外保育施設のうち、「認可外保育施設指導監督基準」の全項目を満たす施設に対し、申請に基づき知事がその旨の証明書を交付しています。なお、この証明書の交付を受けた認可外保育施設については、その利用料(保育料等)にかかる消費税が非課税となります。(兵庫県HPより抜粋)

証明書の交付を受けるためには、「認可外保育施設指導監督基準」の全ての項目を満たす必要があり、各自治体の審査を経て、証明書が交付されることになります。

流れとしては、まずは、書面で申請書類を提出し、自治体での書面での審査を経て、立入検査が実施されることになり、基準に適合していると判断されれば、証明書の交付を受けることができます。

この対応については、管轄の自治体で異なる可能性がありますので、必ず、該当の自治体に確認をすることをお勧めいたします。

 

こんなケースに注意

企業主導型保育事業は、当然、事業を行っている事業所が保育施設を設置することになります。

もし、本業の事業の課税売上高が1千万円前後で、消費税の課税事業者になるかどうか微妙な場合は、保育施設の利用料が加算されることで消費税の課税事業者になんてこともあるかもしれません。

もちろん、レアケースだとは思いますが。

このため、保育事業がスタートする前に、消費税に関しても注意しておく必要があるということですね。

 

まとめ

今後の税制改正においても、子育て世代をバックアップする意味合いから、保育事業に関する優遇税制の拡充なども進んでいく可能性も考えられます。

大きく注目されている事業であるからこそ、こういった事業をはじめる際には、税制上の取扱いを慎重に確認しておく必要があります。

今回は消費税の取り扱いを取り上げましたが、この他にも税務上の大きな論点はいくつかありますので、この事業の立ち上げをご検討されている方は、必ず専門家に相談し、早めの対応を行っていただければと思います。

 

 

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