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日本政策金融公庫の「新創業融資制度」とは?創業融資にもかかわらず無担保・無保証って本当?

 
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日本政策金融公庫には無担保、無保証で利用できる創業融資の制度があると聞いたのですが本当でしょうか?

教えて君

確かにその通りだね。新創業融資制度というのだけど、確かに無担保、無保証で利用ができるよ。

ベテラン先生

それは素晴らしいですね。是非教えてください。

教えて君

確かに素晴らしい制度だね。ただ、せっかくなので、デメリットも含めて押さえておこう。

ベテラン先生

創業融資にもかかわらず、担保も保証も不要になるといううれしい制度があります。

それは、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」です。

ただ、よく誤解されがちですが、この「新創業融資制度」とは、日本政策金融公庫の融資商品のことではなく、融資商品と併せて利用する無担保・無保証の特例制度のことを言います。

今日は、「新創業融資制度」について、メリット・デメリット含めてご説明いたします。

 

今回のポイント
日本政策金融公庫には、無担保・無保証で利用できる「新創業融資制度」という制度があります。これは、法人で融資を受ける場合、代表者保証も不要となるので、大きなのメリットとなります!

 

創業時に利用できる日本政策金融公庫の主な融資商品

まずは、創業時に利用可能な主な融資商品をいくつかご紹介いたします。

 

新規開業資金

新規開業資金の概要は以下のとおりとなります。

  • 資金使途:運転資金、設備資金
  • 融資限度額:7,200万円以内(うち、運転資金4,800万円以内)
  • 返済期間:運転資金7年以内、設備資金20年以内
  • 留意事項:新たに事業を開始する方、又は事業開始後7年以内の方で一定の要件を満たす方が対象

 

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性、若者/シニア起業家支援資金の概要は以下のとおりとなります。

  • 資金使途:運転資金、設備資金
  • 融資限度額:7,200万円以内(うち、運転資金4,800万円以内)
  • 返済期間:運転資金7年以内、設備資金20年以内
  • 留意事項:女性または35歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方

女性や若者、シニアの創業を支援する観点から、新規開業資金と比較して、金利が低くなります。

 

中小企業経営力強化資金

中小企業経営力強化資金の概要は以下のとおりとなります。

  • 資金使途:運転資金、設備資金
  • 融資限度額:7,200万円以内(うち、運転資金4,800万円以内)
  • 返済期間:運転資金7年以内、設備資金20年以内
  • 留意事項:中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受ける必要があります。

専門家の指導・助言を受けて、融資を申し込むことで、金利の優遇を受けることができます。

こちらの詳細につきましては、別の記事で、詳しくご紹介させていただきます。

 

新創業融資制度とは

「新創業融資制度」とは、上記のような融資商品と併せて利用することができる無担保・無保証の特例制度のことを言います。

このため、「新創業融資制度」そのものが貸付商品というわけではありませんので、誤解がないようにしたいものです。

ちなみに、無担保・無保証を実現できる一方で、いくつかのデメリットもありますので、こちらも併せてご紹介させていただきます。

 

新創業融資制度を利用できる方

新創業融資制度を利用するための条件について、日本政策金融公庫のHPより以下の通り抜粋しました。

次のすべての要件に該当する方

  • 創業の要件
    新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない
  • 雇用創出等の要件(注1)

    「雇用の創出を伴う事業を始める方」、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方(既に事業を始めている場合は、事業開始時に一定の要件に該当した方)

        なお、本制度の貸付金残高が1,000万円以内(今回のご融資分も含みます。)の方については、本要件を満たすものとします。

  • 自己資金要件

      新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方

        ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認知特定創業支援事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします(注2)。(日本政策金融公庫HPより抜粋)

ポイントは、創業してから2期目を迎えていないということと、自己資金を10分の1以上用意しているということです。

ちなみに、この自己資金要件については、上記の青字下線部分を満たせば、無条件でクリアすることができるのですが、これはまさにこちらの記事でご紹介した創業塾に参加することを指します。

ここでも、創業塾に参加する効果が発揮されるということですね。

 

新創業融資制度のデメリット(融資限度額)

新規開業資金や女性、若者/シニア起業家資金、中小企業経営力強化資金といった融資商品の融資限度額は7,200万円以内(うち、運転資金4,800万円以内)となります。

一方で、新創業融資制度を利用する場合、新創業融資制度の融資限度額は、3,000万円以内(うち、運転資金1,500万円以内)となりますのでご注意ください。

新創業融資制度を利用することで、無担保・無保証を実現できる一方で、融資限度額が下がってしまうことはデメリットの一つと言えますが、この限度額以上の融資を受けて創業をするケースはかなりのレアケースと言えます。

 

新創業融資制度のデメリット(金利)

日本政策金融公庫のHPに主要利率の一覧表が公表されていますが、こちらを確認すると、新創業融資制度を利用すると、若干金利が高くなることも確認しておきたい点です。

当然と言えば当然の話ですが、新創業融資制度を利用することで、無担保・無保証を実現できる一方で、金利は高くなることもデメリットの一つと言えます。

 

まとめ

大企業と異なり、中小企業の銀行融資は、基本的に代表者保証がセットとなりますが、新創業融資制度では、この代表者保証も不要となるということが最も大きなメリットと言えます。

なお、この制度には、融資限度額や金利のデメリットもありますが、デメリットを補うだけのメリットがあると言っても言い過ぎではないため、創業融資の検討の際には、是非、検討したい制度と言えます。

 

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