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創業融資で検討したい日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」を徹底解説!

 
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日本政策金融公庫の創業融資と言っても融資の制度は一つではないのですね。ちなみに、おすすめの融資制度ってあるのでしょうか?

教えて君

おすすめの融資制度の一つとしてあげられるのが、「中小企業経営力強化資金」だね。これは是非内容を知っておいてほしい。

ベテラン先生

そうなんですね。どんな特徴があるんですか?

教えて君

税理士や会計士などの専門家と連携して手続きを進めることで、金利を低く抑えることができるなどのメリットがある。

ベテラン先生

中小企業支援の専門家である経営革新等支援機関(税理士や会計士など)の助言を受けて、融資を申し込むことで、金利が安くなるなどのメリットを受けれるのが、この「中小企業経営力強化資金」という融資制度です。

もちろん、金利が安くなる分、専門家と連携して融資を進める必要があったり、提出書類が増えたり、定期的に公庫に進捗報告をしたりと、それなりに手間のかかる部分もあります。

とはいえ、創業融資を検討する場合には、是非知っておきたい制度ですので、今回はこの「中小企業経営力強化資金」についてご説明いたします。

今回のポイント
創業融資を検討する場合には、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」も検討してみましょう。専門家と連携することで、金利が低くなるなどのメリットがあります!

 

中小企業経営力強化資金の概要

まずは、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」の概要からご説明いたします。

 

中小企業経営力強化資金の制度概要

この制度の対象となる方

まずこの制度の対象となる方については、以下の日本政策金融公庫のHPより確認することができます。

次のすべてに当てはまる方

  1. 経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
  2. 自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方

日本政策金融公庫HPより抜粋)

この制度を利用するためには、中小企業等経営強化法に定める経営革新等支援機関の指導や助言が必要になります。この経営革新等支援機関の内容については、後程詳しく解説いたします。

なお、フランチャイズ店での利用は対象外となりますので、ご注意ください。

 

資金使途・融資限度額・返済期間

  • 資金使途:運転資金、設備資金
  • 融資限度額:7,200万円以内(うち、運転資金4,800万円以内)
  • 返済期間:運転資金7年以内、設備資金20年以内

 

適用金利

融資限度額のうち2,000万円以内の無担保・無保証で利用する場合は、2.06%~2.35%(平成29年10月12日現在)となります。

また、「中小企業の会計に関する指針」および「中小企業の会計に関する基本要領」を適用しているか、適用予定の場合は、さらに、金利が0.1%マイナスとなります。

なお、同じ無担保・無保証の新創業融資制度を利用する場合の基準利率は2.26%~2.85%(平成29年10月12日現在)となっていますので、こちらと比較すると、金利のメリットを確認することができます。

この適用金利については、あくまで、現時点での状況であり、今後も変動の可能性がありますので、こちらの日本政策金融公庫のHPよりご確認ください。

 

中小企業経営力強化資金のメリット

それでは、次に、この制度のメリットをご紹介いたします。

 

適用金利を低く抑えることができる

上記で確認した通り、同じ無担保・無保証の新創業融資制度と比較して、適用金利を低く抑えることができるというメリットがあります。

 

自己資金要件が不要となる

同じ無担保・無保証の新創業融資制度では、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意する要件がありましたが、中小企業経営力強化資金では、自己資金要件が不要となります。

なお、自己資金要件が不要となるからと言って、自己資金がなくても融資が受けれるかというと、もちろん、審査がありますので、そういうわけにはいきません。あくまで、要件からは外れているということです。

一概には言えませんが、理想では融資額と同程度の自己資金を準備することが望ましいと言われていますし、出来れば、融資額の半分程度の自己資金は確保してのぞみたいところです。

いずれにせよ、自己資金要件がないからといって、自己資金はいらないかというとそう簡単な問題ではありませんので、ご注意願います。

 

中小企業経営力強化資金のデメリット

それでは、次に、この制度のデメリットをご紹介いたします。

 

事業計画書の作成が必要になる

通常の創業融資の申込時に必要になる創業計画書に加え、事業計画書の提出が必要になります。

こちらは、日本政策金融公庫のHPにひな形と記載要領がアップされていますので、ご確認ください。

 

定期的な進捗報告が必要になる

中小企業経営力強化資金により融資を受けた場合には、毎年、事業計画進捗報告書を作成し、公庫へ進捗報告をしなくてはなりません。

こちらも、日本政策金融公庫のHPにひな形と記載要領がアップされていますので、ご確認ください。

 

経営革新等支援機関のフォローが必要

上記の制度概要でもご説明させていただいた通り、中小企業経営力強化資金により融資の申し込みを行うためには、経営革新等支援機関に助言や指導をもらい、事業計画書を共に作成して手続きを進める必要があります。

 

繰上返済できない

中小企業経営力強化資金により融資を受けた場合には、原則、繰上返済ができませんので、この点は、念頭に置いておく必要があります。

 

経営革新等支援機関って何?

経営革新等支援機関認定制度の概要を中小企業庁のHPより抜粋します。

近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、 中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、 中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。(中小企業庁HPより抜粋)

主には、税理士や公認会計士、中小企業診断士などが該当し、平成29年10月31日現在では、経営革新等支援機関数は27,203機関となっています。ただし、税理士や会計士であっても必ずしも経営革新等支援機関に該当するわけではありません。

ちなみに、当事務所は、中小企業等経営強化法に基づき、近畿財務局長及び近畿経済産業局長から認定を受けた経営革新等支援機関に該当します。

 

まとめ

個人的には、創業融資を検討する場合、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」という制度を検討してみる価値はあると思います。

確かに、デメリットとして、事業計画書の策定や毎年の進捗報告など、一定の手間もかかりますが、起業を成功させるためには、綿密な事業計画を策定すること、そして、当初に策定した計画と実際の結果の検証作業を行うことは、この制度を使かうか使わないかに限らず、なくてはならないものだと考えます。

このため、金利が安くなるというメリットだけでなく、起業の成功確率を上げるためにも、この制度を検討してみる価値はあると言えます。

 

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