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税務調査で指摘されることが多い貯蔵品の計上漏れについて解説してみました

 
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今期はかなり利益が出そうなので、期末に商品券や切手を買っておこうと思います。

若手社長くん

その商品券や切手は期末までに使用するものなのかな?

ベテラン先生

いえ、恐らく来期になると思います。

若手社長くん

期末時点で未使用なら、経費には計上できないよ!

ベテラン先生

 

今期は想定以上に利益が出そうだからと、期末間際に必要物品を前倒しで購入することもあるかと思います。

しかし、上記のような切手や商品券といた貯蔵品は、原則、購入したときに経費に計上されるものではなく、使用したときに経費として計上しなくてはなりません。

このため、上記のようなケースでは、貯蔵品の計上漏れということで、税務調査でも指摘の対象となってしまうので注意が必要です。

 

今回のポイント
切手や商品券といった貯蔵品は、期末時点の未使用分を資産計上する必要があります。税務調査でもしっかりとチェックされるところですので、注意しましょう。

 

そもそも貯蔵品って何?

そもそも貯蔵品って何というところから確認したいと思います。

貯蔵品(ちょぞうひん、stores/supplies)は、勘定科目の一つ。流動資産に区分される。(ウィキペディアより一部抜粋)

これだけでは分かりにくいので、もう少し詳しく説明すると、業務で必要な消耗品などで未使用状態のものを言い、具体的には以下のようなものがあげられます。

  • 切手
  • レターパック
  • 印紙
  • 商品券
  • 回数券
  • チラシ等の広告宣伝物
  • 見本品
  • 事務用消耗品

 

貯蔵品の処理で気を付けたいこと

さて、切手や印紙などの貯蔵品ですが、実は、税務調査で指摘されてしまうことも多く、安易に処理をすると痛い目に合うことになります。

一つ一つの金額は小さく無視されがちですが、もちろん、積もれば大きな金額にもなりますので、具体的に見ていきましょう。

 

期末時点の未使用のものは資産計上する

例えば、切手を購入したときには通信費として経費で処理したり、商品券を購入したときには交際費で処理する会社が多いと思います。

しかし、切手や商品券は購入したときに経費になるのではなく、実際に切手や商品券を使用したときに、経費として計上することができるというのが大原則です。

このため、期末時点の貯蔵品は、経費に計上せず資産計上しなくてはなりません。つまり、通信費や交際費で処理されているものを貯蔵品という資産勘定に振替える必要があるのです。

これを漏らしてしまうと、経費の過大計上ということになってしまいます。

 

期末間際の大量購入は要注意

期末間際の切手や印紙の大量購入などがあれば、全てを使い切っている可能性は少ないと言えますので、税務調査官の目にも留まりますいと言えます。

こういったものがあれば、貯蔵品として計上されているのかということを確認される可能性が高まるでしょう。

 

事務用消耗品には例外あり

実は、貯蔵品の中にも一部の例外があり、その根拠となる通達をご紹介します。

 

2-2-15 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加)

(注) この取扱いにより損金の額に算入する金額が製品の製造等のために要する費用としての性質を有する場合には、当該金額は製造原価に算入するのであるから留意する。(法人税基本通達2-2-15を抜粋)

 

つまり、貯蔵品の中でも経常的に使用するもので、毎年一定数量を購入しているような事務用消耗品や包装材料などに限っては、購入したときの経費計上を認めています。

ただし、この処理は毎年継続する必要がありますので、前年度は貯蔵品で計上したけど、今年はやめておこうといったようなことは認められません。一度決めたら継続する必要があります。

毎期一定数量を購入して経常的に使用するものなら、資産計上を行わずに購入時に経費処理をしたとしても、その処理を継続することで、毎期の損益は大きくゆがめられるものではありません。

そこで、重要性の見地から、ボールペンの一本一本にまで在庫をカウントして資産計上しなくても良いということを趣旨とする通達なのです。

このため、利益の圧縮を目的とする一時的な大量購入は対象になりませんし、また、その額が多額で毎年の購入額が大きく増減し、損益に大きな影響を与えるようなものもこの通達の対象には該当しないと判断したほうが良いでしょう。

また、切手や商品券などの郵便切手や物品切手類はこの通達の対象外となります。

 

まとめ

商品や製品といった在庫は、期末に実地棚卸を行って資産計上するという習慣があるかと思いますが、切手や商品券といった貯蔵品は意外と見逃されがちです。

一方で、税務調査では、きっちりとみられる項目となりますので、しっかりと処理したいところです。

 

今日の日記

最近頭痛がひどくて、ロキソニンが手放せません。

原因と思われるのは、最近デスクワークが多い、運動不足、姿勢が悪いなどでしょうか。

温泉地にでも行って、ゆっくり本読んで、おいしいビールを飲んで…と、現実逃避の妄想が止まりません(汗)

 

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