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介護サービスをスタートする前に知っておきたい「会計の区分」のはなし

 
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介護保険制度の財源には、国民が負担する介護保険料だけではなく、国や都道府県、市町村が負担する公的な負担も含まれます。

このため、保育園や福祉施設などとも同様に、会計に関する特別なルールが設けられているという点では、他の業界と比較しての大きな違いと言えます。

この点を認識せずに介護サービスをスタートしてしまうと、その後の実地指導などの場面で基準に違反していると指摘される可能性もでてきます。

本日は、介護サービスを行う場合の「会計の区分」に関してご説明します。

介護サービスの「会計の区分」に関する根拠

「会計の区分」に関しては、厚生労働省からの以下の基準に定められています。

(会計の区分)第三十八条 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定訪問介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。
(厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」より一部抜粋)

上記を見ると、「指定訪問介護事業者は~」とありますが、この基準は居宅サービス全般を対象としていますので注意が必要です。

また、居宅サービス以外の施設サービスなどの他の介護サービスにも同様の基準が設けられています。

具体的に「会計の区分」ってどうすればいいの?

具体的には、同じ法人で通所介護と介護サービスに関係のない物販事業の2つの事業を行っている場合を例にとって考えます。

この場合、簡単に説明すると、同じ一つの法人で事業を行っているものの、きちんと、通所介護と物販事業に分けて売上や経費、利益などを管理しなさいということですね。

また、別の事例として、同じ介護サービスでも通所介護と訪問介護などのように、複数の介護サービスを行っている場合もそれぞれを分けて管理する必要があります。

実は、この「会計の区分」の具体的な方法について、厚生労働省からの通知で、4つの方法が示されていますので、次にご紹介します。

「会計の区分」の具体的な4つの方法とスタート時の処理方針の重要性

厚生労働省からの「介護保険の給付対象事業における会計の区分について」(平成13年3月28日老振発第18号)では、具体的な方法として、以下の4つの方法が示されています。

  • 会計単位分割方式
  • 本支店会計方式
  • 部門補助科目方式
  • 区分表方式

上記の4つの具体的な処理方法は上記の通知で確認することができますが、実は、それぞれの方法で会計処理の手間や難易度は変わってきます。

介護サービスをスタートするときに会計処理方針をしっかりと定めずとりあえずで始めてしまうと、その後、事業が拡大して、拠点や介護サービスの種類が増えてしまうにつれ、会計処理の手間や煩雑さも増しますので、初めが重要だと言えます。

「会計の区分」の重要性は基準を満たすためだけではない?

「会計の区分」の重要性は、基準の定めを満たすためだけとは言いきれません。

介護報酬の改定や、従業員確保の問題など、介護保険事業を取り巻く経営環境は今後ますます厳しくなることが予想される中で、介護サービス毎の損益を適正に把握するということは、経営管理上、非常に大切なことだと言えます。

そのためにも、会計処理の手間を可能な限り抑えるとともに、毎月、出来るだけ早いタイミングで介護サービス毎の損益を適切に把握できる体制を整えていくことは非常に重要だと考えます。

まとめ

介護保険事業を営む事業者様にとって、「会計の区分」は基準を満たすために重要なことであると同時に、経営管理上の重要性も今後さらに増していくものと考えられます。

そのためにも、介護サービスをスタートする段階で会計処理の方針をしっかりと定めることが大切だと感じます。

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