保育園や介護施設などで従業員に昼食を支給する場合に注意したい税金のはなし
この記事を書いている人 - WRITER -
創業や経営支援分野に注力している税理士事務所です。税理士としては珍しい大手金融機関で融資実務を経験したキャリアを持ちます。どんな些細なことでも相談していただけるように丁寧な対応を心掛けています。
保育園や介護、福祉施設などでは、自社の調理施設で作った食事を従業員にも昼食として提供しているということもあるでしょう。
園児や利用者に提供している材料の残りだからということで、従業員に無償で提供してもそれは問題のないことなのでしょうか?
今回は、従業員に自社調理の食事を提供する場合の税金の考え方をご紹介したいと思います。
昼食を無償で提供すると現物給与になる?
原則、従業員に対して昼食を無償で提供すると「現物給与」という取扱いになります。
つまり、従業員に現物で支給したお給料ということになり、法人側としては、以下のような税金の対応が必要になります。
- 現金で支給したお給料と同様に給与計算を行い、源泉所得税を徴収しないといけない
- 徴収した源泉所得税は翌月10日(又は半年置き)に税務署に納付しないといけない
現物給与とされない場合もある?
一方で、以下の要件を満たせば、従業員に対する給与として取り扱われません。
もちろん、従業員に対する給与として取り扱わっれなければ、源泉所得税の徴収や納付などの問題は発生しないということになります。
- 従業員が食事の価額の半分以上を負担していること
- 会社負担額が1か月当たり3,500円以下であること
※参考:国税庁HPタックスアンサー「食事を支給したとき」
実務上は、従業員の負担額は、1か月分を合計してお給料から天引きすることが多いのではないかと思います。また、お給料から天引きしたこの従業員の負担額は、法人の雑収入などとして会計処理することになります。
従業員の負担額はどうやって計算するの?
それでは、この従業員の負担額はどのように計算したら良いのかということですが、自社の調理施設で昼食を作っている場合は、 食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額で計算することになります。
お弁当などを外部から購入してくる場合は、実際に購入したお弁当の代金で計算すればよいわけですが、自社の調理施設で昼食を作る場合は少し計算が面倒になります。
まとめ
保育園や介護、福祉施設を運営している場合によくご質問を頂いたり、また、見落としがちなところでもありますので、注意しておきたいところです。
漏らしてしまうと税務調査での指摘にもつながりかねませんので、しっかりと見直しておきたいところです。
過去のこちらの記事でも同様の内容を書かせて頂いておりますので、併せて参考になれば幸いです。
この記事を書いている人 - WRITER -
創業や経営支援分野に注力している税理士事務所です。税理士としては珍しい大手金融機関で融資実務を経験したキャリアを持ちます。どんな些細なことでも相談していただけるように丁寧な対応を心掛けています。