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【完全版】節税と福利厚生をセットで考える社長のための11のリスト

 
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やっと安定してきたので、従業員に喜んでもらったり、モチベーションのアップにつながるようなところにお金を使いたいと考えています。

若手社長くん

素晴らしいね!従業員のモチベーションアップによって生産性の向上や離職率の低下、採用時の強みなんかにもつながるね。

ベテラン先生


保育園や介護事業に限らず、あらゆる業種において人材不足の傾向が強まっており、離職率の低下や新規採用に頭を悩ませる経営者が増えているように感じます。

そこで、安定してある程度の利益が出るようになり、効果的なお金の活用法を模索するのであれば、福利厚生とセットにして検討してみる価値は十分にあると言えます。

今回は、税制を効果的に活用し、福利厚生にもつなげるための11の手法をご紹介したいと思います。

 

今回のポイント

税制を効果的に活用し、福利厚生につなげるための11の手法をご紹介します。制度の導入検討にあたってはそれぞれの税に関する要件に注意することに加え、一度導入した制度は廃止しにくいということも事前に理解しておくべき必要があると言えます。

これらの制度で役員や従業員にメリットが生じる理由

まずは、これらの制度を導入することで、なぜ、役員や従業員にメリットが生じるのかというところから考えてみたいと思います。

現金以外の支給には課税される?

会社から役員や従業員に対して給与や賞与として現金を支給すれば、それは、役員や従業員に対して、所得税(税率5%~45%)と住民税(税率10%)が課税されることになります。

それでは、現金支給以外のケースではどうでしょうか?

例えば、会社の一部家賃負担により社宅に住む場合を考えてみると、従業員にとっては、会社が負担する家賃相当額のメリットを享受したことになります。

このメリットのことを税の世界では経済的利益と言い、この経済的利益は現金支給の場合と同様に給与として所得税や住民税が課税されるのが原則となります。

経済的利益が課税されないこともある?

しかし、これからご紹介するものは、一定の要件を満たすことで、経済的利益に対する課税がなされないものもあります。

例えば、社宅のケースで考えると、本来であれば、従業員本人が家賃の全額を負担しなくてはならないところ、社宅制度を利用することで家賃の10%~50%程度の負担ですみ、また、会社に負担してもらった部分は、役員や従業員の所得税や住民税の課税対象にもならないというメリットが生じます。

結果として、給与を支給することなしに、役員や従業員の手元に残るお金を増やすことができたり、または、健康診断を受けられたり旅行に行けたりというカラクリで、利用する役員や従業員にとっては喜ばしい制度になるのです。

節税と福利厚生とセットで考える11のリスト

以下には、それぞれの制度の概要と併せて、詳細な内容を記載した記事へのリンクを付けておりますので、ご活用ください。

社宅制度

会社が所有している不動産であったり、会社が借上げ契約した不動産を役員や従業員に社宅として賃貸する制度になります。

役員や従業員が負担すべき社宅家賃の算定方法に関しては、税法上の明確なルールが定められていますので、この点には、十分注意しておきたいところです。

出張日当制度

一定の出張を行った役員や従業員に対して、日当を支給する制度となります。

税法上、日当の妥当額に関しては、税務調査で指摘対象となることもあり、制度設計には十分注意する必要があります。

健康診断・人間ドックの実施

従業員の健康管理の必要性から、健康診断や人間ドックの受診費用を会社で負担する制度となります。

特定の人だけがオプションを付加した高額な人間ドックを受診したりすると、税務調査で指摘される可能性もありますので、制度設計には十分注意する必要があります。

社員旅行の実施

社員旅行やレクリエーションに関する費用を会社で負担する制度となります。

参加者が一部に限られたり、旅行期間が長すぎたり、負担額が高額になったりとするなど、一定の場合には、税務調査で指摘される可能性もありますので、制度設計には十分注意する必要があります。

保養施設の導入

役員や従業員が利用できる福利厚生施設を会社契約により導入する制度となります。

実態として特定の人だけした利用できないなど、一定の場合には、税務調査で指摘される可能性もありますので、制度設計には十分注意する必要があります。

社内サークル活動の実施

社内サークル活動の一部費用を会社負担とする制度になります。

特定の人だけした利用できなかったり、参加する従業員に対して現金が分配されたりするなど、一定の場合には、税務調査で指摘される可能性もありますので、制度設計には十分注意する必要があります。

永年勤続表彰制度

永年勤続者に対する表彰として、役員や従業員に記念品を贈呈する制度になります。

現金や商品券で支給する場合など、一定の場合には給与課税の対象となってしましますので、制度設計には十分注意する必要があります。

創業記念品の支給

創業〇周年記念として、役員や従業員に記念品を贈呈する制度になります。

現金や商品券で支給する場合など、一定の場合には給与課税の対象となってしましますので、制度設計には十分注意する必要があります。

慶弔見舞金制度

役員や従業員のお祝い事やご不幸などに際して金品を支給する制度になります。

あくまで社会通念上の妥当額の範囲内であることが重要となります。あまりに支給額が高額になると、税務調査で指摘される可能性もありますので、制度設計には十分注意する必要があります。

まかない制度

役員や従業員に食事を支給する制度になります。

税法上、役員や従業員側が負担すべき金額に加え、会社負担の月額上限が明確に定められていますので、制度設計には十分注意する必要があります。

社内割引制度

役員や従業員が自社の製品や商品を購入する場合、一定の割引を行う制度となります。

税法上、販売量や割引上限が設けられていますので、制度設計には十分注意する必要があります。

制度導入にあたっての注意点

上記の制度の導入検討にあたっては、事前に以下のような点に注意する必要があります。

税制上の要件はしっかりと確認しておく

それぞれの制度には、従業員側で給与として課税されるかされないかなどの税制上の要件がきっちりと定められています。

当然、それぞれの制度で要件は異なりますが、概ね以下のようなところは共通することが多いと言えます。(もちろん、異なるものもありますのでご注意ください。)

  • 世間一般の常識的な金額の範囲内であること
  • 皆平等の精神。特定の人だけがメリットを享受するものでないこと
  • 現金や商品券で渡せば、原則的には給与扱い

それぞれの制度の要件を満たさない場合は、税務調査での指摘につながりかねませんし、過去には、裁判で争われたような事例もあります。

制度の導入にあたっては、それぞれの制度の税制上の要件をしっかりと確認しておきましょう。

一度導入すると廃止しにくい

従業員にメリットのある制度を一度導入してしまうと、廃止するとはなかなか言いにくいものです。

また、実際に廃止されてしまうと、従業員に対してネガティブな印象を与えかねません。

このため、導入時には、長期間運用していけるような制度かどうかを長期スパンで検証する必要があると言えます。

役員が税務調査で指摘されるとトリプルパンチ

上記の制度は、税法上の要件が定められており、これを満たさないと、給与課税の対象となってしまいます。

通常は、特定の従業員だけを特別扱いしたり、会社側で高額負担をするということは考えにくいですので、おそらく、税務調査で問題になるとすれば、社長を含む役員に対するものとなるでしょう。

もし、仮に、役員の制度利用が給与課税の対象とされてしまうと以下のような影響が生じます。

  • 役員賞与として取り扱われるため会社の経費にできない
  • 会社側は上記役員賞与に対する源泉所得税の徴収漏れとなる
  • 役員側も所得税・住民税等の払い漏れとなる

まさにトリプルパンチになりますので、これだけは避けたいところです。

まとめ

効果的なお金の活用法を検討するのであれば、福利厚生とセットで検討することで、その効果はさらに大きくなると言えます。

ただし、それぞれの制度には、金額要件など、細かい要件がありますので、事前の制度設計をきっちりと行い、後々の税務調査で指摘されないように十分注意する必要があります。

また、一度導入した制度を廃止する場合、従業員にはネガティブな印象を与える結果にもつながりかねませんので、一度導入した制度は、長期間継続するという視点も必要になるでしょう。

上記の制度は、効果的な制度ではありますが、制度導入前の慎重な検証作業が必要になると言えます。

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